教員を辞めたいのに踏み切れないのはなぜ?

教員からの転職

ずっとあこがれていた教員にやっとなれたのに、毎日がつらい。転職したいけれど、スキルもないし、転職なんて、無理だよな。でも、このまま先生続けていけないよ。これからどうしたらいいんだろう。

確かに、教員からの転職は難しいです。

その理由として、よく挙げられるのは次の3つ。

「年収の高さ」「ビジネススキルのなさ」「退職時期が限られる」

主に、「教員」という仕事に由来する原因ですね。

この3つも大きく影響していますが、本当にそれだけなのでしょうか。

「年収が同じくらい」で、「未経験可」「4月入社の求人」で内定がもらえたら、すっきり辞められるのでしょうか。

私は、教員からの転職の一番の敵は、自分自身であると感じています。

2年前に内定を辞退して、今回、2回目の転職活動を行った私が、転職を妨げる心理的な壁を言語化します。

こんな人に読んでもらいたい記事です
  • ずっと夢だった教員になったのに、毎日が辛い人
  • 転職しようかどうか、決めきれない人
  • 教員からの転職は無理だとあきらめかけている人
  • 転職したいのに、踏み切れなくてもやもやしている人

この記事を読んで分かること
  • 教員からの転職にある心理的な壁を知る
  • 心理的な壁があることは当たり前だということ
  • 転職をしたらいいのか、迷っている人がとるべき2つの行動

結論をいうと、転職を迷う人ほど、今すぐ自己分析&転職活動しましょう。

内定を獲得してから、じゃあどうするか?を考えることが、教員を続けるにしろ、転職するにしろ、

あなたの未来を明るくするための第一歩です。

転職を難しくする 5つの壁

「先生になる」という夢を捨てきれない 

特に小学校の先生になった方は、「教育学部」に進学して、教員免許を取得したはず。

つまり、大学進学時 高校3年生のころには、「先生になりたい」という夢をもっていたことでしょう。もっと早い段階から「先生になる」という意思を固めていた人もいるかと。

「将来の夢 = 先生」という気持ちをもち、先生という職業につくことそのものを目的としてきたあなた。そして、採用試験をクリアしてやっと就くことができた仕事に対して「辞めよう」と踏ん切りがつけられないのです。

実際に私が、先生になりたいと考えたのは中学校2年生の時。そこから、逆算して、進学する大学と高校を決めました。

私は、学生時代の8年間+教員6年間の14年間「先生になるために」時間を使ってきました。

2年前に転職活動をし、内定をもらったときには、

「先生になるために、先生になってからも、ここまで頑張ってきたのに、今やめていいのか」

「今まで努力してきたことが、転職したら、無駄になってしまうのでは。」

「先生になるために大学に行ったのに、今まで何のために頑張ってきたのか。まだ、できることがあるのではないか。」

と、先生を辞めることが、今までの自分の選択を否定することのように思えたのです。

今転職しようか迷っている人の心の中には

先生という仕事をあきらめきれない気持ちがあります

職業選択の幅の狭さ 

2点目は、先生になるときに採用試験のみを受け、就職活動をしていない場合に良く当てはまります。

一般企業に入る場合は、就職活動を行い、自己分析を行い、複数社比較して受験します。つまり、企業に入っている人は、大学3・4年生の時点で一度、複数の選択肢を比較してから、入社していると考えています。

どんな働き方がいいのか、どんな企業がいいのか、何をする仕事にしたいのか、考えてから入社するきっかけがありました。

かたや、先生になると決めていた場合は、せいぜい地元か首都圏か、公立か私立か、小学校か中学校か高校かといった範囲の比較の上で、採用試験を受験しているかと。

つまり、「先生」以外の選択肢が入る余地がわずか

なのです。

いざ、転職を視野に入れたときに、

「自分は先生を辞めて何がしたいのだろう?」と自問自答しても答えが見つからないのです。そして、どんな選択肢があるのかも見えてきません。

「先生になること」を志していたために、

職業選択の幅が狭くなっている、次にやりたいことがなかなか見えてこないのです。

転職を考えるときに精神的なダメージを負っている

素敵な子供たち&保護者に囲まれ、職員室の雰囲気もよく、そこそこの時間で帰れることができている。

こんな環境だったら、だれも先生辞めません。

転職を考えるときには、「子供や保護者との関係」「職員室の雰囲気」「労働環境」のいずれか、または複数に不満をもっています。

先生という仕事は、日々こなさないといけない仕事に追われ、時間的余裕や精神的余裕がもちづらいです。また、子供との関わりの中で、子供の成長を手助けすることが第一の仕事です。教員間の関係がダイレクトに子供に伝わる場面もたくさんありました。

つまるところ、教員はスキルや能力うんぬんより、いかに人とうまく関係性を築くことができるか、人間性が求められます。

だから仕事でつまずくと、自分が否定されているような感覚に陥り、自己肯定感が下がってしまいます。

そのような状態で転職を考えるのですが、自己肯定感が下がった状態では、自己アピールもうまく考えられません。

転職を考えるときに精神的ダメージがあることも、転職活動が円滑に進められない原因の一つである

と私は考えています。

やりがいが転がっている環境 

担任として、または授業者として、集団の子供たちに向かい合うことはしんどく、むずかしさを感じます。

ときには、対応しきれない子供もいますよね。

けれど、集団であるがゆえに、自分が関わったことで、伸びていく子供がいて、自分のことを評価してくれる子供がいることも事実。

学級がどんなに荒れた状態でも、1人は自分の味方になってくれる子がいますよね。

そして、今までできなかったことができるようになった子供の姿、

純粋な子供たちの笑顔に励まされることも。

そんな「やりがい」が毎日散らばっていることが、この仕事の最大の魅力です。

その「やりがい」を手放していいのか、まだまだできることがあるのでは?

という気持ちになってしまうのです。

「慣れ」があり、新しいことにチャレンジする抵抗感

これは、教員を数年間続けた人に当てはまります。

3・4年も続けていると、正直今までの経験や感覚が自分を助けてくれるのです。

具体的には4年目、6年目で転職活動を行った際には、教材研究そっちのけで定時ダッシュをしていました。

それでも、授業が成り立つレベルの学級経営スキルが私には身についていました。

転職を決めた今では、

新しい環境や新しい仕事に挑戦する方がよっぽどしんどく、このまま続けていった方が楽なこともあるだろう

とこの環境を変える抵抗感や安定を求める気持ちが出てきてしまうのです。

これは全て私が実際に転職を決めるまでに感じた5つの壁です。

5つの壁を乗り越える 5ステップ

では、今回、転職活動を本格的に行い、内定を受けるにあたって、どのように5つの壁を乗り越えたのかを紹介します。

徹底的な自己分析を行う 

転職に迷うのなら、まずは徹底的に自己分析することをおすすめします。

私がよく自分に問いかけていたのは

「もしも大学4年生に戻れるとしたら、もう一度教員になるか。」

 「これから30年間、先生一本で働くことができるか」

ということでした。

私の答えは、どちらも「NO」でした。

確かに、14年間を先生という仕事に使ってきましたが、これから30年間を過去の自分の選択にしばられたくないと決めました。

一度、まっさらな気持ちで、どんな働き方、どんな人生を送っていきたいのか、自分で自分に問いかけましょう。

とにかく一度転職活動をすると決める

「転職活動しようかな、うーんどうしよう」と思うなら、

ひとまず転職活動しましょう。

転職活動 = 転職決定 ではありません。

求人サイトを見て、世の中にはたくさんの仕事があることを知りましょう。

そして、興味をもったら応募しましょう。

きっと、たくさん書類選考の時点で落ちます。

私は100社応募して1社しか内定出てません。

それでも、転職活動をしてみると決めたら、やってみましょう。

また、転職エージェントに相談することで、現実が見えてきて、営業職か技術職、塾講師など、選択肢がかなり限られていることが分かります。

転職活動をすることで、先生を続けることのメリット、デメリット、本当に欲しものが見えてきます。

休職を視野に入れる 

もしも、教員の仕事をしていて、本当に精神的にしんどいなら。

休みましょう

有休を使ってもいいし、休職制度を使ってもいい。

自分が一番大事です。休みましょう。

学校は、あなたがいなくても何とかなります。困りはするだろうけれど。

自分の人生で、大切なのは自分自身。本当につらいんだったら休んでいいです。

休職して、ゆっくり転職活動をすることを視野に入れると、心の中の壁がすっととれていくかも。

教員からの転職について理解のある人と繋がる

「先生を辞めたい」という気持ちって、結局先生同士でないと理解できないんですよね。

自分の身の回りにいる人が教員でないのであれば、なおさら、先生を辞めたいという話は受け止めてもらえないでしょう。

けれど、「先生を辞めたい」という気持ちを理解してもらえないことは、あなた自身をどんどん苦しめていきます。

そこでおすすめしたいのが、「SNSを活用して『先生たち・元先生たち』とつながること」

特に Twitterでは、 #先生死ぬかも #教師からの転職 #教員からの転職 というタグでの交流がさかん。

同じ、「先生を辞めたい」という気持ちをもっている人がこんなにいるのだということを知りましょう。手前味噌ですが、私のフォロワーも400人を超えました。(2020年11月14日時点)

自分の気持ちの揺らぎを受け止める

「先生辞めたい」「もう少し続けられるかも」「やっぱりやめたい。」

こう思ってしまうことは、当たり前であることを受け止めましょう。

一度なりたくてなった仕事に対して、次の案が浮かんでこないことも、簡単にあきらめがつかないことも、当たり前だと考えます。

そして、続けたいと思っていても、やっぱりもう無理かもって思う気持ちになってしまうのは、

あなたが弱いからではありません。

先生という労働環境、職業自体の問題です。

「自分の気持ちは揺らぐものだ」と少し冷静になって、一歩引いた場所から自分の気持ちを見ることができると、自分の転職活動の軸もより明確になります。

心の壁を認めて転職活動に動き出そう

教員からの転職は、外的要因もありますが、自分自身の内的要因もあります。

自分の中にある弱みを知っておき、認めたうえで、乗り越えていきましょう。

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