
一年間頑張ってみたけれど、先生を続けるのはつらい。
私も転職したいかもしれない。

「転職をしたい」と思ってすぐに転職サイトや転職エージェントに登録するのはNG。まずは、「なぜ転職したいのか?」をしっかり自分で考えましょう。
それが「自己分析」の第一歩です。
「教員から転職したい」「先生を辞めたい」と思った方へ。
あなたが「先生を辞めたい」「転職したいかも」と思ったのには理由があるはず。
自分自身に対して「なぜ、そう思ったの?」「どうして辞めたいの?」を繰り返し問いかけてみましょう。
一見、何の意味もないことに思われるかもしれませんが、これが自己分析の第一歩になりますよ。
- 先生の仕事がつらいなと思っている人
- 転職をしようかどうか迷っている人
- 転職したいけれど、何から始めたらいいのか分からない人
- 自分自身に問いかけたい「なぜ、先生を辞めたいのか」
- 考えられる「なぜ?」の答え
- 自己分析のメリット
教員の仕事の何が辛いですか?
「転職したい」「先生を辞めたい」と思ったら、
「教員の仕事の何が辛いか?」を徹底的に書き出してみましょう。
この時点ではきれいな言葉でなくていいです。自分の思いの丈を洗いざらい書きましょう。
自分の考えを客観視することが大切なので、多ければ多いほどよいと思います。

「教員をやめたい理由」 5選
実際に、考えられる「教員を辞めたい理由」は次の5つに分けられるのではないでしょうか。
先ほど書き出したものに次の(1)~(5)のどれに当てはまるかをつけ足して書いてみましょう。
(1)児童との関わり
①学級経営がうまくいかない
②そりの合わない児童がいる
③グレーゾーンの児童など、指導が難しい。
③「叱る」「ほめる」など、子供たちにどう指導したらいいのか分からない
④不登校傾向の児童など、個別に対応しなければいけない児童がいる。
これらは、全て子供たちとの関わりの中で生じるものです。
教員の仕事のうち、大半は子供たちとの関わりの時間なので、ここにストレスを感じると結構しんどいですね。
私も、初年度にもった学級の児童が一番大変でした。
教員1~3年目ぐらいの先生がぶちあたる大きな壁の一つでしょう。
今では6年間経験を積んだので、学級経営で悩むことは少なくなりました。
(2)保護者との関わり

①保護者に接するのが怖い。
②モンスターペアレントにクレームを言われる。
③話が通じない保護者がいる。
子供たちの背景にあるご家庭。それぞれ考え方も違うので、対応が難しいところです。
特に、私のように「若手の女性教員」に対しては、厳しい目を向ける母親も多いですよね。
これが、男の先生だと、うまくいく場合もあるようですが、やはり、子育て経験のない若手教諭に対する保護者の目線は気になるところがあります。
また、いわゆるモンスターペアレントという、話の通じないご家庭もありますよね。
もちろん、保護者が悪いと一方的に決めつけるわけではないのですが、同じ人間同士なので考え方が合わない部分は絶対にありますよね。
対保護者のかかわりがうまくいかないと、管理職からの評価にも影響が出るところがありますね。
教職員の関わり

①同じ学年を組む先生と話がかみ合わない
②校長がなんでも決めすぎる。自分の意見を曲げてくれないワンマン運営。
③副校長は校長の顔色を見すぎて全く職員側の気持ちを理解してくれない。
④自分よりも経験が上の先生が、強い意見を押し付けてくる。
⑤後輩が全然働いてくれない
職員室内の環境も、やめたいと思う原因の一つでしょう。
私自身は、恵まれた職員の環境で働くことができていたのですが、「校長のパワハラから逃げてきた」と異動される人も数多く見ましたね。
特に、長年「教員」という狭い世界で生きてきている人ほど、考え方が凝り固まっていると私は思います。ことなかれ主義であったり、改善策が考えられないなど。
自分たち若手の考えを尊重できない管理職・上司とぶつかる辛さも相当なものだと予想されます。
そして、ここだけの話ですが、採用試験の倍率が下がることによって、教員の学力レベルも下がってきているように感じる今日この頃です。
今後もこの状況が続けば、いわゆる「ツカエナイ先生」という人が増えてくるのではないでしょうか。
労働環境について

①休憩時間がない
②時間外労働が当たり前
③残業代は出ない。
③成績処理のためには土日出勤
④よほどの体調不良でないと休めない
教員の労働環境が取りざたされるようになっているため、ブラックな労働環境についてはかなり明らかになっています。
私も6年目になり、「先生を辞める」と決意するまでは、学校は休めませんでしたね。
もちろん、実際にはそんなことはないのでしょうが、「休んではいけない風土」のような雰囲気があるように感じます。
そして、その背景にあるのは、明らかな業務過多。
本来の業務である「授業準備」の時間はほとんどありません。
4時前後に休憩時間は設定されていますが、「休憩」という感じではないですよね。
平然と会議が入れられることもありますし、保護者が来れば当たり前に対応しなければなりません。
学級経営上で大きな問題が起これば、放課後6時から面談することもざらですね。
中学校の先生であれば、部活動は勤務時間外に当たり前にやっていますよね。
この「労働環境」から、教員からの転職を決意する人も多いでしょう。
仕事内容について
①授業を行うのがしんどい
②学級など子供たちの組織を動かすのが向いていない
③部活動指導をやりたくない
④校務分掌に全く興味がもてない
教員の仕事は多岐に渡りますが、それらの仕事内容について「魅力を感じない」と思うこともありますよね。
おそらく、先生を目指す際には「子供たちの成長に関わりたい」という熱意をもっているはずですが、さまざまな理由から「教員」の仕事に魅力を感じなくなる場合も。
実際に、私も中学生のころから「教員」を目指していましたが、6年間の経験を得て感じるのは、あのころのように熱意をもって働くことは難しくなった、ということです。
転職した方がいい?転職しない方がいい?
環境を変えることで、教員を続けることができる場合も
「教員を辞めたい」と思う理由が(1)児童との関わり(2)保護者との関わり(3)教員との関わりだけであれば、今すぐ転職するかどうかは、もう一度よく考えてもよいでしょう。
理由は、これらは環境を変えることや時間が解決する問題だからです。
児童、保護者との関わりは、一年耐えれば解消する問題でもあります。
密な関係が必要になる担任でなくなればいいわけなので。
特定の児童や保護者との関わりだけで、教員以外の道を選ぶことはない、と私は考えます。
絶対ではないですが、教員1年目よりも教員6年目の今の方が、児童や保護者との関係性づくりで悩むことは減りました。経験を積むことで、全ての悩みが解決されるわけではないですが、経験によって解消される部分も多いです。
もちろん、経験年数が上がり、ベテランに近づくにつれて、より難易度の高いクラスや保護者の担任になる可能性があることも否めません。
また、公立の学校であれば、「異動」という仕組みがあります。
4~6年ほどで、新しい学校に移ることができるので、教職員同士の関わりも、環境の変化で変わるものでしょう。

もちろん、逆にいい先生もいなくなってしまう可能性があるところがイタイところです。
労働環境、仕事内容が不満ならば、転職を検討しよう
対して、(4)労働環境や(5)仕事内容に不満があるならば、転職を検討すべきです。
理由は、これらを解決するには、「先生以外の環境」に身を置く必要があるからです。
「教員の変形時間労働制」の導入や「GIGAスクール構想」によって、教員の勤務体系や仕事内容は今後ますます厳しいものになると予想されます。
いくら耐え忍んでも、改善が見込めない場所に居続けるリスクもきちんと考えるべきです。
実際に転職活動をしてみて感じたことですが、
「年齢が上がれば上がるほど、転職のハードルは上がる」ということです。
実際に転職が視野に入ってきたら、より深く自己分析をしてみましょう。
自己分析を行うメリット
教員をやめたい理由をたくさん書き出したことが「自己分析」の第一歩です。
この「自己分析」を行うのメリットは大きく2つあります。
自分の仕事に対しての価値観が明らかになる
これは、転職するしないに関係ないのですが、仕事に対しての不満を書き出すことで、自分の仕事に対する価値観・考え方が明らかになります。
あなたが、仕事に対してやりがいを求めているのか、それともプライベートとの両立を図りたいと思っているのか。
仕事は人生における重要な1/3です。
その仕事に対する自分の価値観が明らかになることで、仕事に対するスタンスがはっきりしますよね。
これは、教員を続ける上でもとても大切なポイントであると私は考えます。
転職活動の軸が明らかになる
今、この教員としての仕事に不満を抱えている理由が、今回転職活動をするにあたって、重視しなければいけない「転職活動の軸」になります。
労働環境に不満があるのであれば、年収が下がることも織り込み済みで、「労働環境の改善」を転職活動の軸に置く必要があります。
逆に、仕事内容に不満があるのであれば、自分がどんな仕事を選ぶかをより重視する必要がありますね。
今の不満点の裏返しが、今回の転職活動で得るべき「転職活動の軸」になります。
面接対策がしやすくなる

転職活動が進み、面接に行くと必ず聞かれる質問が「どうして転職しようと思ったのですか?」ということです。
もちろん、先ほど書き出したことをそのままいうと、ストレートすぎて落とされる危険性がありますが、内容は同じでも言い方を変えるだけで、「転職理由」の答えになります。
自分の中で、「どうして転職をするのか」ということがまとまっているだけで、一つ面接対策をクリアしていると思えば、少しだけハードルもさがりますね!
転職活動で自分が考えたことを記録に残そう
私は転職活動にあたり、自分の考えたことをエクセルを使ってパソコンで記録に残していました。
また、このブログでも、「転職活動日記」として記録を残してきました。
自分が、いつ、何を、どのように考えていたのかを、ざっくりとでもいいのでまとめておくと、転職活動に一貫性がもててよいでしょう。
動き出すなら、早い方がいい
もしあなたが、「教員を辞める」と決断するならば、少しでも早い方がいいです。
未経験転職は、30代になると一気にハードルが上がります。
また、私のような女性の場合、未経験からの転職は「28歳」がボーダーラインだそう。
例えば、営業職をしていた女性が、他社の営業職に転職するのであれば、このラインは変わりますが、
教員から民間企業へ行く転職は、完全な未経験転職扱いになります。
私は、ストレートで大学入学&卒業し、教員6年目で転職なので、まさにボーダーラインでした。
ここに、「結婚」や「出産」といった女性としてのライフスタイルのチェンジが入ると、より転職は難しいものになるでしょう。
実際に、出産して子育てと仕事との両立に悩んだママさん先生たちが退職したり時間講師になったりする話もよく聞きますよね。
子供がいる段階になってから、いざ転職をしようと思っても、その時に選ぶことができる選択肢はとても狭いものになっているはずです。
この記事を読んで、転職を決意したら、少しでも行動を起こしてみましょう。
実際に私が活用していた転職サイトとエージェントについては、次の記事にまとめています。
教員からの転職であれば、転職サイトと転職エージェントの併用がおすすめです。